2025.03.17
学校歯科検診で「要診察」の結果に。小児歯科と矯正歯科、どちらを受診すべき?

当院、かすや矯正歯科のある西宮市では、毎年4月から6月に公立幼稚園・小学校・中学校・高校で、学校歯科健診がおこなわれます。
健診後に配布される歯科検診結果のお知らせで【◯印は歯科医師による診察を受ける必要があります】の項目に◯がついていた場合、早めに歯科医院の受診をおすすめします。
とは言え、歯科医院の診療科目には「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」とあるので「何科を受診したら良い?」と迷われる方も少なくありません。
そこで、今回は検診結果の項目ごとに、受診先の目安をお伝えいたします。
検診結果ごとに見る
受診先の目安
項目 | 小児歯科・歯科 | 矯正歯科 |
う歯 | ○ | ✗ |
要注意乳歯 | ○ | ✗ |
歯肉の炎症 | ○ | ✗ |
歯垢の付着 | ○ | ✗ |
歯列(歯並び)・咬合(かみ合わせ) | ○ | ◯ |
顎関節部の異常 | ○ | △ |
その他 | ○ | 内容による |
小児歯科は、子ども(18歳まで)の成長を見守りながら、虫歯の予防や治療、歯並びのケアなどを行います。
一般歯科は、大人もお子様も受診できるので、家族で一緒に受診できます。
歯列・咬合

✓ 歯並びがガタガタ(叢生)
✓ 上の前歯が突き出している(上顎前突、出っ歯)
✓ 上と下の噛み合わせが逆(下顎前突、受け口)
✓ 奥歯で噛んでも、上下の前歯に隙間がある(開咬)
など、歯並びや噛み合わせに関しては「矯正歯科」が専門です。
そのため、歯列・咬合だけに◯があった場合は、ぜひ当院を受診してください。
ただし、学校歯科検診は短時間でお口の状態をチェックする関係で、不正確な場合もあります。
例えば、お子様の初期虫歯は、歯の表面が白く濁って見えるため、光の加減などによっては、見逃されやすいです。
「お口の状態を総合的に診てもらいたい」「定期検診を半年以上受けていない」という場合は、先に小児歯科を受診してから、当院を受診してくださっても大丈夫です。
う歯

う歯(齲歯)とは、虫歯のことです。
放置していると、どんどん進行するので、すみやかに歯科を受診してください。
ただし「前回、虫歯治療をしたのに…また指摘された!」など、虫歯を繰り返している場合は、歯並びがガタガタしていているために、歯磨きをしても「磨き残し」があるからかもしれません。
虫歯を繰り返して、歯を削り続けていると、いずれは抜歯に至ることも珍しくありません。
歯列のガタガタが気になる場合は、お気軽に当院にご相談ください。
歯列矯正でケアしやすい整った歯並びにすると、「生涯に渡って虫歯を予防できる」という大きなメリットがありますよ。
歯肉の炎症・歯垢の付着

歯肉の炎症(歯肉炎)とは、歯と歯茎の間などに歯垢(プラーク)がたまることで、歯茎が赤く腫れたり出血したりする病気です。
歯垢(プラーク)とは、歯の表面や歯と歯茎の間・歯と歯の間に付着した、細菌などのかたまりのことです。(歯に歯垢が1/3以上付着している場合が「要診察」)
この歯垢が石灰化して「歯石」になると、歯ブラシで磨いても取れないため、歯科で除去してもらいましょう。
軽度の歯肉炎であれば正しい歯磨きで改善しますが、相当の症状が見られる場合には「要診察」になります。
一般歯科・小児歯科を受診して、治療(歯垢・歯石の除去)やブラッシング指導を受けましょう。
ただし、歯並びがガタガタで、歯が重なり合った部分に汚れが溜まってしまう場合は、お気軽に当院にご相談ください。
要注意乳歯

要注意乳歯とは、次のような乳歯を指します。
✓ 永久歯が生えそうなのに、乳歯が残っている
✓ 乳歯が抜けないため、永久歯が正しくない位置に生えてきた
✓ 乳歯がグラグラ揺れるが、なかなか抜けない
✓ 乳歯が抜ける時期を大幅に過ぎている
✓ 歯茎に乳歯の根っこが残っている
要注意乳歯があると、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼしたり、歯茎に腫れや痛みが出たりします。
抜歯など治療が必要かどうかを判断するために、歯科・小児歯科を受診しましょう。
顎関節部の異常

✓ 顎や頬に痛みがある
✓ 口が大きく開けられない
✓ 顎を動かすと音が出る
上記のような症状が進行すると、将来的に顎関節症になる可能性があります。
まずは小児歯科を受診して、必要に応じて歯科口腔外科や矯正歯科を紹介してもらうのが一般的です。
※お子様の場合は、成長に伴って改善することがあるため「まずは経過観察で様子を見ましょう」と言われることが多いです。
その他

✓ 矮小歯(歯が通常より小さい)
✓ 癒合歯(本来2本の歯が1本にくっついている)
✓ 過剰歯(歯の本数が通常より多い)
など、1~6には当てはまらないが、気になる事項について記載される部分です。こちらも、基本的に小児歯科の受診で大丈夫です。
指摘されたら
必ず受診しましょう

学校歯科検診で「要受診」のお知らせを受け取ったら、なるべく早く歯科医院を受診し、正確な診断を受けましょう。
「何科を受診すれば良いの?」と迷ったときは、かかりつけの歯科医院(小児歯科・歯科)に受診していただければ良いのですが、もし歯並びや噛み合わせ、歯がガタガタで虫歯を繰り返す場合は、ぜひ当院にご相談ください。
学校歯科検診をきっかけに、当院の矯正相談(カウンセリング)へお越しになる方も多くおられます。
カウンセリングをご希望の方へ

✓ 歯科医院での診察・検査の結果「矯正歯科で詳しく診てもらった方が良い」と言われた
✓ 矯正の先生の意見も聞いてみたい
という場合は、ぜひ当院にご相談ください。
カウンセリングでは、お口の状態を診察し、お子様の成長に合わせたアドバイスをおこないます。
また、矯正治療が必要と判断した場合には、開始時期や期間、使用する矯正装置などについても丁寧にご説明し、ご不安や気になる点にもお答えいたします。
メールでのご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。