歯科矯正用
アンカースクリューとは
歯科矯正用アンカースクリューは「インプラントアンカー」や「インプラント矯正」と呼ばれることが多く、小さなネジのようなピンを固定源にして歯の移動を助ける役割があります。ピンは、直径2㎜・長さ6~10㎜ほどの非常に小さなものを使用するため、周囲の方に気づかれることはありません。
歯科矯正用
アンカースクリューのメリット
従来であれば、主に奥歯を固定源にして歯を移動させて治療をおこなっていました。その場合、固定源にしている奥歯も動いてしまうことがありましたが、歯科矯正用アンカースクリューは歯を支える骨(歯槽骨)を固定源にします。そのため、動かしたい歯だけをコントロールすることが可能になりました。
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- メリット
- 歯科矯正用
アンカースクリューを使用
◆ 動かしたい歯だけをコントロールできる
◆ 不使用の場合と比べて治療期間を短縮できる
◆ ヘッドギアなどを使用しなくて済む
◆ 使用することで抜歯が不要になる場合も
このようなケース・歯並びに
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歯の裏側からの舌側矯正の方
歯の裏側に装着する「リンガルブラケット矯正装置」は、表から装置が見えることがなく目立たない治療方法です。しかし、前歯が内側に倒れやすい傾向があるため、舌側矯正で抜歯をおこなう際には歯科矯正用アンカースクリューを併用することで、前歯の傾斜角度をコントロールしながら治療をおこないます。
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出っ歯・口ゴボの方
出っ歯(口ゴボ)の場合、抜歯をおこなうことで前歯を引っ込めていきます。抜歯後の隙間を閉じる際、歯を固定源にして隙間を閉鎖すると動かしたくない歯も移動してしまいます。
そのため、歯科矯正用アンカースクリューを固定源にして隙間を閉鎖することで奥歯が前方に移動することなく、前歯だけを移動させて隙間を閉鎖し、より良い仕上がりとなります。 -
ガミースマイルの方
笑ったときに歯茎が目立ってしまう状態をガミースマイルといいます。上の前歯が下方向に下がっていることで、歯茎が多く見えてしまっている場合には、歯を歯茎方向に沈める(圧下)力を加えることで、ガミースマイルを改善していきます。ワイヤーによるコントロールに併せて使用することで、よりスムーズに前歯を圧下させることができます。
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歯の中心が合っていない方(偏位)
上下の歯の中心が合っていない「偏位(へんい)」と呼ばれる歯並びの場合にも使用します。原因によって治療方法は異なりますが、歯科矯正用アンカースクリューを左右どちらかに使用して引っ張ることで、中心を合わせる治療をおこないます。
歯科矯正用
アンカースクリューの
痛みや傷跡について
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施術の痛み
埋め込む部分に局所麻酔を施すため、基本的に施術中に痛みを感じることはありません。しかし、矯正治療中に歯科矯正用アンカースクリューのまわりの歯茎に炎症が起こると、痛みを感じることがあります。
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矯正後の除去・傷跡
矯正治療が終了したら、局所麻酔をおこない歯科矯正用アンカースクリューを取り外します。(場合によっては表面麻酔だけで取り外すこともあります)取り外した後は自然に治癒していき、傷跡が残ることもありません。
注意事項・デメリット
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脱落する可能性がある
- 歯科矯正用アンカースクリューまわりの清掃が不十分な場合、歯茎に炎症が起こり、歯科矯正用アンカースクリューが不安定になり抜け落ちてしまう可能性があります。清掃方法をお伝えしますので、毎日丁寧にお手入れをお願いします。
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骨の質によって定着しにくい
- 骨の硬さなどは個人差があるため、比較的骨が柔らかい方は歯科矯正用アンカースクリューが定着しにくい場合があります。